“丸見えだった庭”が家族の癒し空間に。職人が語る外構づくりの裏側 【神戸市 N015】
2026年5月25日

①:はじめて現場に立ったときに感じたこと
現場に入って最初に感じたのは、「この場所、すごくいい景色を持っているな」ということでした。
南側には大きな窓、その先には池や緑地。光も風も抜けて、正直そのままでも気持ちのいい場所でした。
ただ同時に、「このままだと少しもったいないな」とも思いました。
道路からの視線がしっかり通ってしまっていて、ご家族がくつろぐには少し落ち着かない。
せっかくの景色なので、“見せたい部分”と“隠したい部分”の整理ができればと思いました。
それに加えて、1.0mの高低差。
これをどう見せるかで、この家の印象は大きく変わる。
建物はとてもきれいなのに、外構次第でバランスが崩れてしまう可能性もある。
だからこそ、「ただ整えるだけじゃなく、この場所の価値をちゃんと引き出したい」と思いました。
ご家族が毎日過ごす場所だから、見た目だけじゃなく、居心地までしっかりつくる。
そんな気持ちで、この現場に向き合い始めました。



②:細かい調整にこだわった理由
今回の現場で、特に気を使ったのが“ラインの美しさ”です。
南側の化粧型枠ブロックが敷地の関係でくの字になっていたんですが、正直そのままだとフェンスの納まりが少し気になりました。
こういうのって、ぱっと見では分からないことも多いんですが、長く住むほど違和感として残る部分なんです。
なので、お客様にご相談して、思い切って直線になるように調整しました。
ほんの少しの違いなんですが、空間全体のまとまりがぐっと良くなるんです。



それと、ゴミステーションの視線や、道路からの見え方。
完全に隠すのではなく、「自然に視線が抜ける場所」と「やわらかく遮る場所」を分けるようにしました。
ロックガーデンと植栽も、ただ配置するのではなく、
「石と植物が一緒に空間をつくる」ように意識しています。
季節ごとに、花が咲いて、葉の色が変わって、また次の楽しみがくる。
そういう流れを感じてもらえるように、少しずつ配置を考えました。
完成した瞬間がゴールじゃなくて、これから先ずっと楽しめる庭。
そこを一番大事にしています。









③:現場での何気ない時間が、一番の思い出になった
工事中、実は毎日楽しみにしていたことがありました。
それは、お子さんたちと、毎日挨拶ができることです。
とても無邪気で、素直で可愛らしい!
特に若手の職人にすごくなついてくれていて、「おはよう!」って笑顔で話ししてくれるんです。
あの時間は、正直こちらが元気をもらっていました。
ある日、「一緒に植えたい」と言ってくれて。
もちろん安全には十分気をつけながら、一緒に植物苗を植えました。
小さな手で土を触って、一生懸命植えてくれて。
その姿を見て、「この庭は、この子たちの記憶にも残る場所になるんだな」と思いました。
大きくなったときに、
「あのとき一緒に植えた植物だな」って思い出してくれたら嬉しいですね。
工事って形をつくる仕事なんですけど、
こういう時間があると、それ以上の価値を感じます。



④:安全と安心をつくるのも、職人の仕事
今回は入居後の工事ということもあって、特に意識したのが安全面でした。
小さなお子さんがいらっしゃるので、
・足元でつまずかないか
・危険な場所に入れないか
・資材や道具が触れる場所にないか
そういったことを毎日確認しながら作業していました。
養生や立ち入り禁止の設置も、少しやりすぎかなと思うくらいでちょうどいい。
何も起きないことが一番大事ですから。
ご家族が安心して過ごせる状態を保ちながら、
その横で少しずつ庭が出来上がっていく。
その過程も含めて、この現場の価値だと思っています。


⑤:この庭で、これから始まる時間を想像して
今回つくったのは、ただの外構ではなく、
ご家族の時間が流れる場所です。
ご夫婦がゆっくり過ごす時間。
お子さんたちが遊んだり、成長していく時間。
奥様が植物を触りながら楽しむ時間。
そして、ふとご近所さんが立ち止まって、
「きれいですね」って会話が生まれるような、やわらかい空気。
そんな光景を思い浮かべながら、この庭をつくりました。
「この花が終わったら、次はこれが咲く」
「今度は葉っぱの重なりがきれいになってきたね」
そんなふうに、季節ごとに楽しみが続いていく場所になってくれたら嬉しいです。




⑥:最後に
少し強面に見られることもあるんですが、
こういう現場に入ると、やっぱり人の暮らしに関われる仕事っていいなと思います。
今回のご家族とも、本当にいい時間を過ごさせていただきました。
これからこの庭がどう育っていくのか、僕自身も楽しみにしています。
子どもさんたちも、この素敵な家とお庭で沢山の思い出をはぐくんでいただいて
お庭と一緒に成長していってもらえると、こんなに嬉しいことはありません。
この度は、本当にありがとうございました。