『暮らしの景色』を整える外構計画【宝塚市 L008】
2026年5月18日
■ 積水ハウスの住まいに、外構でできること
今回ご相談いただいたのは、宝塚市で積水ハウス シャーウッドをご新築されたお客様でした。
外構についても当初は同社のプランを検討されていました。しかし、敷地が広いため工事範囲も大きくなり、 想定以上の費用がかかることが判明。そこで、提案内容とコストのバランスをあらためて見直したいと考えられたのが、弊社にお声がけいただいたきっかけでした。
お客様が大切にされていたのは、完成時の美しさだけではありません。
「住み始めてから、どれだけ心地よく暮らせるか」という視点でした。
広い敷地だからこそ、ただ移動するだけではなく、景色を感じながら家へ向かう時間が生まれる。
そんな邸宅らしい空気感を、外構で丁寧に整えていきたいと感じました。


■ 広い敷地だからこそ、『余白の使い方』を考える
広い敷地の設計で難しいのは、単純に空間を埋めてしまうと、かえって落ち着かない印象になってしまうことです。
そこで今回は、「どこをつくるか」だけではなく、「どこをあえて開けておくか」という余白のバランスを大切にしました。
ファサードは、広い空間に負けない重厚感を持たせながらも、圧迫感を感じにくい構成を意識しています。
門柱や土間、門扉、フェンス、カーポート、オーバーゲートについても、ひとつひとつの素材感や色味を丁寧に選定し、積水ハウスの建物と自然につながるよう計画しました。
また、玄関まわりはバリアフリーにも配慮しながら、シンプルで上質な印象に整えています。
スロープは単なる移動経路ではなく、帰宅の時間そのものが少し心地よく感じられるよう、視線の抜け方や植栽の見え方まで意識して設計しました。
夜には照明が植栽や壁をやわらかく照らし、昼とはまた違う落ち着いた表情に。
安全性だけでなく、帰宅した瞬間に少し気持ちがほどけるような灯りの計画も大切にしています。
宝塚市という街の落ち着いた空気感にも馴染むよう、派手に見せるのではなく、『静かな上質感』を意識して全体を整えていきました。


■『メンテナンスを減らす』だけでは、寂しくなる
同居されるお母様は植物がお好きとのことでしたが、日々のお手入れに追われるのではなく、ゆったりとお庭時間を楽しめることを望まれていました。
また、以前は空き地だったこともあり、雑草へのご不安もお持ちでした。
そのため植栽は、管理の負担が大きいものを避けながら計画しています。
ただ、緑を減らしすぎてしまうと、これだけ広い敷地はどうしても無機質に見えてしまいます。
そこで今回は、『植える量』ではなく、『見せる場所』を整える考え方を大切にしました。
室内から自然と視線が向かう場所。
デッキまわりやアプローチに寄り添う場所。
そういったポイントへ植栽を配置することで、少ない本数でも景色として成立するよう構成しています。


■ご家族の日常に、自然と馴染んでいく外構へ
お庭は、特別な日に使う場所ではなく、毎日の暮らしの中で自然と外へ出たくなる場所であってほしいと考えました。
広いデッキ階段に腰掛けて会話をしたり、
お孫さんが走り回ったり、
これから迎えられるわんちゃんがお庭を歩き回ったり。
そんな何気ない時間が、このお庭の中で少し豊かに感じられるよう、空間全体のつながりを意識しています。
外構は、建物が完成したあとに加える『飾り』ではなく、
その住まいで、どんな時間を重ねていくかを整えていく仕事だと思っています。
シャーウッドの持つ上質で落ち着いた佇まいに対して、
外構もまた、年月とともに愛着が深まっていく存在でありたい。
宝塚市という穏やかな街並みの中で、
ご家族が自然と外へ出たくなり、帰るたびに少し気持ちがほどける。
そんな暮らしの景色を、これからも丁寧に支えていければ嬉しく思います。
