調和の庭・トータルデザイン研究所

職人が語る、二度目の庭づくり 【宝塚市 L007】

工事から一言

最初に日本庭園を造らせていただいたのち
再びお声がけをいただいたときは、本当に驚きました。

「全部取り壊して、リガーデンをお願いしたいんです」

正直、ものすごくびっくりしましたね。
あのお庭は、職人としても思いを込めて造った日本庭園でした。
石の据え方、植栽の配置、景色の切り取り方。


一つひとつに意味を持たせた空間だっただけに、リガーデンをすると聞いたときは少しがっかりもしました。
でも、それ以上に
「また声をかけてもらえた」という事実の方が大きかったです。

■「前の庭も結構気に入ってたんだけどなあ」

二度目の工事に入ったとき、ご主人様がぽつりと仰いました。
「前の庭も結構気に入ってたんだけどなあ」
その言葉が、今でも忘れられません。
壊す決断をされた理由も理解していました。
暮らし方が変わり、ご家族が増え、必要な空間も変わった。
庭もまた、家族と一緒に変化していくものです。

気に入っていたと聞けただけで、
あの日本庭園は無駄ではなかったんだと救われた気持ちになりました。
だからこそ、
二度目の庭は「前よりももっと良いものにしよう」と心に決めました。

■工期がない中での、近隣の皆さまのご協力

今回の工事は、正直かなりタイトなスケジュールでした。
ご近所さまにとっても負担は大きかったと思います。
それでも皆さま、本当に温かく協力してくださいました。

重機(ユンボ)に興味を持った近所の子どもたちを、
安全を確認したうえで一緒に乗せてあげたり。
花壇の植物が枯れていたお宅には、そっと植え替えをしたり。
作業の合間に世間話をしたり。
工事現場というより、
どこか人と人とのつながりを感じる時間でした。

この庭は、職人だけで完成したものではありません。
周りの皆さまのおかげで、完成日に間に合わせることができた庭です。

■これからも愛される外構であってほしい

庭は、ご家族のもの。
でも同時に、街の景色の一部でもあります。
二度の工事を経て完成したこの外構が、
施主様だけでなく、周りの皆さまからも愛される存在であってほしい。
職人として、そう心から思っています。

壊すことは、決して後ろ向きではありません。
変化する暮らしに合わせて、また新しい形をつくること。
その大切さを教えていただいた現場でした。

これからも、この庭が
ご家族と、そして地域の皆さまとともに
時間を重ねていくことを願っています。