木材のお話し。

2015年2月16日
本日はデッキやフェンスに多く使われる、木材のお話しでも。
まずはこちらの写真をご覧下さい。
一見してそんなに違いの無い2種類の木材です。
向かって右側が弊社が通常、木製品を作成させて頂く場合に使用するレッドシダーという木材。
対して左側がウリンという木材です。
見た目はそんなに大きな違いが無いように見える両者ですが、木材としては似て非なるものです。
まずレッドシダー材の特徴としましては
◯サイズが豊富
◯供給が安定しているので入手が容易・また比較的安価
◯硬度がそれ程無いので加工性が良い
◯塗料を吸い込みやすいので塗装も楽
という点が挙げられます。
耐久性もSPF材やACQ(防腐剤)注入のスギ材等と比べると長持ちします。(目安ですが、約10年~15年程度)
入手しやすく価格もお手頃で、それなりに持ちも良いので木製品のご提案の際に基本的にはこちらの木材でご提案をさせて頂く場合が多いです。
次に右側のウリンという材料ですが、あまり耳にされた事が無い材料では無いでしょうか。
このウリン(別名ビリアン)は「アイアンウッド」とも呼ばれ、世界最硬の木材として知られています。
日本への輸入が解禁されたのは1996年との事なので、比較的新しい材料でもあります。
このウリン材の特徴は
◯とにかく硬い
◯非常が1以上(水に沈むくらい重量があります)
◯耐久性が非常に高い(30年~と言われています)
◯耐水性が良い
という点です。
レッドシダー材との一番の違いは耐用年数です。
レッドシダーが毎年塗装をして10年~15年(日陰など、環境が悪い所は短くなります)と言われるのに対し、
ウリンは場合によっては100年以上と言われる事もあります。
また、非常に強固なので木製扉の柱など、力がかかる箇所にも適しています。
断面を拡大してみますと・・。
ウリン材の方がより密度が高い事がお分かり頂けると思います。
一番上の写真では、体積で見ると約4倍くらいの差がありますが、手にとって見るとウリンの方が少し重いくらいなんです。
そんな素晴らしい木材のウリンですが、欠点もいくつか存在します。
◯あまりに硬すぎて、下穴を空けないとビスが通らず、ビス自体も専用のものを使う必要がある
◯ウリンの木の成長が遅く、供給量が少なく、材木自体が高価
◯直径60cm程度の幹のものが多いので、サイズが少ない
◯大量のポリフェノールを含んでおり、腐食に優れる反面、ポリフェノールがアクとして流れだす
◯塗料を吸い込まないので塗装に向かない
◯経年変化で灰銀色へ変色する
という感じです。
実際にウリンで計画させて頂くにあたって、一番の問題は価格です。
場合によってはレッドシダー材の1.5倍~の金額になることもあります。
材料自体の価格もさながら、下穴を空けないとビスも通らない硬さ、その重さのおかげで加工性が悪く、職人さん泣かせな材料です。
ただ、長い目で見ればレッドシダーの倍以上長持ち(すると言われています)で、一度設置すればほぼメンテナンスフリーです。
アクの流出も木材内のポリフェノールがある程度出尽くせば止まりますし、気になる場合は洗剤で洗えばキレイになります。
どちらもメリット・デメリットをよく理解して使い分ければ非常に有用な材料ですので、
木製品をお考えの際には一度ご相談頂ければ幸いです。