禅と庭のミュージアム 新勝寺

2017年11月9日
この不思議な建物、何だかわかりますか?
広島県福山市沼隈町の禅寺である神勝寺の境内に建つアートパビリオン「洸庭」と呼ばれる建物です。
建物内に入ると中は暗闇。前方に広がる水面にかすかな明かりが揺れる何とも不思議な空間です。
お寺のイメージとはなかなか結びつかないこの外観ですが、一般の人もこの建物の中で約25分間、瞑想体験ができるというユニークな設備です。
設計・監理は京都造形芸術大学教授の名和晃平氏。そしてこの建物周りのランドスケープ監修 はプラントハンターとしても名高い 西畠清順(そら植物園)氏によるものです。
この臨済宗建仁寺派新勝寺は昭和40年(1965)常石造船社長でもあった開基神原秀夫氏が益州宗進禅師(臨済宗建仁寺派第七代管長)に帰依し、建立されたお寺だそうです。
禅宗だけあって、修業を積むための立派な道場もあり、広く世界中に門戸を開かれているとのこと、お寺を訪ねる一般の人々が禅を体験できるお寺なのです。
なんと境内にはお湯に浸かりながら美しい庭園を眺めることができる露天風呂もあります。禅宗では日常の立ち居振る舞いすべてが修行の場であり、修行の上で「心」と「体」の垢を落とすという意味で、お風呂も重要な役割を果たしているのだそうです。
趣のある佇まいの五観堂。ここで名物の新勝寺うどんを食します。大小3つのお椀で頂く手打ちうどんはお値段1,000円也。
一番大きな器に薬味とおつゆを入れてうどんを頂きます。
中間の大きさの器はおかず用。
うどんを食べ終わった後は残ったおつゆの中にご飯を入れてお茶漬けのようにして食べつくします。
薬味のお盆の中央にある沢庵を少しだけ残しておき、最後にお茶を注いで残しておいた沢庵で器を洗ってから飲み干します。
何一つ無駄にしない、改めて食事のありがたさを見直すひと時です。
四季の移ろいが感じられる見事なお庭は一見の価値あり。
この廊下の突き当りが寺務所。入場チケットはここで購入できます。拝観料:大人1,200円也。
水面に映る景色もきれいです。今週末あたりは美しい紅葉を楽しめそうです。
京都のお寺も良いですが、ちょっと方向を変えて福山まで足を延ばしてみてはいかがですか。一味違ったお寺観光を楽しめますよ。
そして私たち一般人にとってお寺とは?と考えさせられる体験も味わってみてください。
臨済宗建仁寺派神勝禅寺
〒720-0401 広島県福山市沼隈町大字上山南91 TEL 084-988-1111(寺務所)